文化庁のプレスリリース(2021年2月26日 10時04分) 国立科学博物館 20年あまり課題とされてきた、ユキノシタ科全体の分類学的再編を達成!
ユキノシタの仲間の分類体系が、最近のDNAを用いた大掛かりな分子系統解析によって2021年2月25日から変わりました。25日以降に発表された学名は、すべてこの新しい学名が適用されることになります。
この論文で面白いところは、ユキノシタ科の起源が北米の高山帯である可能性が高いことを指摘したところ。解析で特に注目されているチャルメルソウ属は、北米と日本で種分化が進んでいる種群。かつて、氷河期に日本列島とアリューシャン列島〜カムチャツカ半島〜千島列島が地続きとなって分布拡大があったことを示唆するもので、こういう地球のダイナミックな歴史を垣間みれる研究はロマンがありますね。
ちなみに被子植物の分類は、DNAの系統解析を基にしたAPG(Angiosperm Phylogeny Group)体系で21世紀に入ってからガラリと変わってきたのだけど、その4訂版(APG-VI;2016年頃〜)は特にそれが際立っています。一昔前の植物図鑑で名前を覚えた身にとっては、聞いたことのない科が毎年のように乱立していて訳がわからなくなっています。。
これから各種の国際データベースが改訂に追われるんだろうなぁ。大変だぁ。